マゾヒスト:SMでの意味と楽しみ方

BDSMでいうマゾヒストとは、スパンキング、噛みつき、引っかき、クリップなど、合意のうえの痛みや強い刺激を受けることを楽しみ、それを快感や深い興奮として感じる人のことです。日本では「ドM」とも言われます。多くのマゾヒストにとって、痛みと快感はひとつに溶け合います。それはいつも自分で選び、話し合い、いつでも止められるもの。だからこそ、安心してそこへ行けるのです。

この言葉は、19世紀オーストリアの作家レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホに由来します。彼の小説『毛皮を着たヴィーナス』は、愛する女性に支配され、痛めつけられることを切望する男の物語です。1880年代に精神科医リヒャルト・フォン・クラフト=エビングがこの医学用語を作りました。のちにキンクのコミュニティはこれを、合意のうえの好み、SMの「M」として取り戻し、今では誇りと少しのユーモアを込めて自らをマゾヒストと呼ぶ人がたくさんいます。

プレイの中の痛みは、足の小指をぶつけたときの痛みとはまったく違う、とマゾヒストはよく言います。自分で選んだプレイで、信頼できる相手となら、強烈さは高揚感に、緊張の解放に、あるいは「サブスペース」と呼ばれるふわふわした多幸感に変わることがあります。感情的な面もあります。耐えること、自分の体を刺激に差し出すこと、そしてそのあとで大切にされていると感じること。痛みそのものが好きなマゾヒストもいれば、痛みが頭の中で解き放ってくれるものが好きなマゾヒストもいます。

ひとりのとき、マゾヒスティックな好奇心は、強めに自分の体に触れること、つねること、洗濯ばさみ、あるいは手加減しないパートナーの空想などに表れます。パートナーとなら、セックス中にもっと強いスパンキングや噛みつきをお願いすることから、パドルやフロッガー(バラ鞭)を使った本格的なスパンキングプレイ、ろうそく、クリップ、引っかきを使った感覚プレイまでさまざまです。翌日の痕やひりつきを、ふたりだけの秘密のしるしとして大切にするマゾヒストも多くいます。

いちばんよくある誤解は、マゾヒストはどんな痛みでも、いつでも好きだ、というもの。多くは特定の刺激を、特定の状況で、特定の相手と楽しむのであって、日常の痛みは誰とも同じように嫌いです。マゾヒストはいつもサブだ、というのも思い込みです。しっかり主導権を握ったまま、自分を痛めつけるよう相手に指示するマゾヒストもたくさんいます。そして痛みを楽しむことは、あなたの自己肯定感とは何の関係もありません。それは好みであって、あなたに何か問題があるしるしではないのです。

こんな人は当てはまるかも

  • セックス中にしっかりスパンキングされたり噛まれたりすると、もっと欲しくなる
  • 翌日にひりひりしたり、痕が残っていたりするのが好き
  • パートナーにもっと手加減しないでほしいと思ったことがある
  • 強い刺激で、頭の中がいい意味で静かになる
  • スパンキングのシーンを見ると、受ける側の自分を想像してしまう

楽しみ方

  1. 1試したいことをパートナーに具体的に伝え、プレイ中は10段階のスケールを使って、相手がリアルタイムで調整できるようにしましょう。
  2. 2道具に進む前に、手、噛みつき、引っかきから始めましょう。少しずつ強さを上げて、痛みが快感に変わる境目を見つけます。
  3. 3ひとりで感覚を探ってみましょう。肉づきのいい部分に短時間だけ洗濯ばさみ、氷、ピンホイールなど。いつもやさしく、短く。
  4. 4女王様(フェムドム)ライブやスパンキングのシーンを見て、どんな道具や強さに惹かれるかを探ってみましょう。
  5. 5アフターケアは前もって計画を。ブランケット、水、軽食、あざ用の保冷剤、そして翌日の声かけ。

安全と合意

限界とセーフワードはプレイの核心です。事前に決め、言葉以外のサインも加え、プライドが邪魔して使えないということがないようにしましょう。特にサブスペースでは、痛みは気づかないうちに積み重なるので、パートナーにこまめに確認してもらってください。叩くのは肉づきのいい部分だけにして、頭、首、背骨、腎臓、関節には決して当てないように。しびれ、鋭い痛みや走るような痛み、皮膚が切れたときは中止します。終わったら痕のケアをし、水を飲み、気分の落ち込みが来るかもしれないことも見込んでおきましょう。

相性のいいタイプ

マゾヒストは、自分が求める刺激を与えるのが好きなサディストと自然に相性がいいです。スパンキングを楽しむドミナントや、遊びのお仕置きをしてくれるブラットテイマーもいい相手です。

サディスト

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よくある質問

セックス中に痛みを楽しむ人がいるのはなぜ?

理由は人それぞれです。強烈さがもたらす高揚感、痛みと快感のコントラスト、緊張からの解放、そこにある信頼、プレイ中にたどり着くふわふわした精神状態など。ひとつの説明があるわけではなく、説明が必要なわけでもありません。大切なのは、それが合意のうえで、あなたにとって気持ちいいことです。

マゾヒストとサブは同じ?

違います。マゾヒズムは痛みや強い刺激を楽しむこと、サブミッションはコントロールを手放すことです。両方という人も多いですが、ドミナントとして相手に指示を出すマゾヒストもいれば、痛みをまったく楽しまないサブもたくさんいます。日本では「M」とひとまとめにされがちですが、別のものです。

サブスペースとは?

サブスペースとは、激しいプレイの最中に一部の人がたどり着く、ふわふわした多幸感のある、ときに夢見心地の精神状態を指すキンクのスラングです。痛みの判断やはっきり話すことが難しくなることがあるので、パートナーはこまめに確認し、終わったあとのアフターケアがとても大切になります。